040:おとうと

柿木の下で狂気を競い合うおとうとおかん影絵になって

2005年8月19日 12:49

039:紫

紫陽花の色褪せはじめ妹はひとひらひとひら花弁をむしる

2005年8月19日 12:45

038:横浜

連絡を絶って家出の父さんが横浜にいたというヨコハマ

2005年8月19日 12:44

037:汗

エアコンに冷やされてゆくきみの背の汗はしょっぱくない気がします

2005年8月19日 12:43

036:探偵

探偵を雇ってパパを尾行する夏期休暇自由研究として

2005年8月19日 12:42

035:禁

あそこまで泳いでみせる甥っ子は遊泳禁止の立て札を指し

2005年8月18日 12:40

034:背中

もうすこし日が傾けばこの影がきみの背中にとどくはずです

2005年8月18日 12:39

033:魚

淡水に棲む魚たちの無彩色きらきら夏の陽射しはじいて

2005年8月18日 12:37

032:乾電池

親指と人差し指で乾電池はさむと薄い痛みがともる

2005年8月18日 12:36

031:盗

八月は浅葱の空を盗まれて君に会えない夏がゆきます

2005年8月18日 12:35

030:橋

ただ橋を渡りたかった夕暮れはたぶんすっかり思い出になる

2005年8月18日 12:33

029:ならずもの

ならずものになりたいらしい少年と蚊を追いながら夕涼みする

2005年8月18日 12:25

028:母

かつかつとおんなじ音でバナナ食む母と息子の二重奏です

2005年8月18日 12:24

027:液体

液体でいよう僕らはいつまでも形状不定流動気質

2005年8月18日 12:22

026:蜘蛛

銀色の朝を奏でる蜘蛛の糸おはよう暑い一日になる

2005年8月18日 12:21

025:泳

平泳ぎ教わった海やわらかい水のぬくさと君の手のひら

2005年8月18日 12:20