052:螺旋

悲しみはあの指先におりてくるリボンが描く螺旋のなかに

2005年10月 2日 21:56

051:泣きぼくろ

おそろいの泣きぼくろつければいいねシンメトリーな恋人として

2005年10月 2日 21:55

050:変

変容はキラキラ星のメロディーとあまい匂いに縁どられてる

2005年9月22日 21:40

049:ワイン

きみ眠る部屋にすわってとろとろとワインが酸化してゆく景色

2005年9月22日 21:38

048:袖

袖口がのびたセーター誰をかも知る人にせむ信号待ちの

2005年9月22日 21:36

047:大和

駅の名に大和とついて県境を越えた電車がいとおしくなる

2005年9月22日 21:32

046:泥

泥んこの両掌をいっぱいにひろげてみせる子どもの時間

2005年9月22日 21:31

045:パズル

解けやすいパズルみたいね食後には夫婦を細かいピースに裂いて

2005年9月22日 21:30

044:香

いい香りいっぱいさせていたいから夜通し月の光を浴びた

2005年9月22日 21:28

043:馬

朝方のシャワーのなかにくっきりと馬鹿という声はいと答える

2005年9月22日 21:27

042:官僚

官僚は生まれ故郷の町の名をダラスみたいな抑揚で言う

2005年9月22日 21:25

041:迷

探されて抱きしめられて頬ずりをされる迷子になればよかった

2005年9月22日 21:24

040:おとうと

柿木の下で狂気を競い合うおとうとおかん影絵になって

2005年8月19日 12:49

039:紫

紫陽花の色褪せはじめ妹はひとひらひとひら花弁をむしる

2005年8月19日 12:45

038:横浜

連絡を絶って家出の父さんが横浜にいたというヨコハマ

2005年8月19日 12:44

037:汗

エアコンに冷やされてゆくきみの背の汗はしょっぱくない気がします

2005年8月19日 12:43

036:探偵

探偵を雇ってパパを尾行する夏期休暇自由研究として

2005年8月19日 12:42

035:禁

あそこまで泳いでみせる甥っ子は遊泳禁止の立て札を指し

2005年8月18日 12:40

034:背中

もうすこし日が傾けばこの影がきみの背中にとどくはずです

2005年8月18日 12:39

033:魚

淡水に棲む魚たちの無彩色きらきら夏の陽射しはじいて

2005年8月18日 12:37

032:乾電池

親指と人差し指で乾電池はさむと薄い痛みがともる

2005年8月18日 12:36

031:盗

八月は浅葱の空を盗まれて君に会えない夏がゆきます

2005年8月18日 12:35

030:橋

ただ橋を渡りたかった夕暮れはたぶんすっかり思い出になる

2005年8月18日 12:33

029:ならずもの

ならずものになりたいらしい少年と蚊を追いながら夕涼みする

2005年8月18日 12:25

028:母

かつかつとおんなじ音でバナナ食む母と息子の二重奏です

2005年8月18日 12:24

027:液体

液体でいよう僕らはいつまでも形状不定流動気質

2005年8月18日 12:22

026:蜘蛛

銀色の朝を奏でる蜘蛛の糸おはよう暑い一日になる

2005年8月18日 12:21

025:泳

平泳ぎ教わった海やわらかい水のぬくさと君の手のひら

2005年8月18日 12:20

024:チョコレート

クール便夜間指定でチョコレート届く記念日クロネコマーク

2005年6月13日 22:04

023:うさぎ

「うさぎってマジ馬鹿じゃんね」反例を挙げたい月の満ちる夜には

2005年6月13日 22:02

022:弓

なんだって跳び越えられるポスターの少女からだを弓なりにして

2005年6月13日 21:57