きらきらと仏間をよぎる金魚かな    西原天気

(西原天気句集「けむり」より。)
この落ち着きは何だろう。ほとんど癒しと言ってもいいくらい。田舎の家のだだっぴろい仏間の空気の温度や湿り具合、陰翳までがよみがえる。その仏間をよぎる金魚のひらひらとした赤いからだ。白地に赤と黒の模様かなあ。金魚の泳ぐ金魚鉢を通して仏間を見ている景色なのだろうが、「仏間をよぎる金魚」と言語化されたときに、ひとつの世界になる。「金魚」は夏の季語か、と俳人には信じられない確認を心の中でしてしまう。こんなわたしが読んでいて申し訳ない!

2015年10月 8日 15:13