ところてんところでという始め方    二村典子

(朝日新聞2014.6.24「(あるきだす言葉たち)しんとして」より。)
言わなくてもいいことかもしれないけれど、俳句です。二村さんの音はいつも楽しい。「ところてん」「ところで」なのだが、駄洒落だとはまったく感じない。わたしたちにとって、音の類似に注意が向くのはとても日常的なことである。ひとつの言葉が、音の類似によってまったく無関係な別の言葉(事柄)を想起させるのはよくあることなのだ。駄洒落にならないのは、配置された言葉の選択によるのだと思う。二村さんの音は、つぶやくような歌うような音である。楽しい。楽しくてちょっとさびしい。ひとつの風景に、ひとつの動作に、世界とのわずかなズレを感じたときにもれてくる音。そんな気がする。

気をつけて勢いつけてかき氷   二村典子

2014年8月22日 18:20