ドキドキしながら電池を捨てにゆく    湊圭史

(「川柳カード」5号より。)
電池、ほんとに迷うんです。不燃ゴミだと認識しているんだけど、回収箱とかもあるらしいし、それなら不燃ゴミに出すのはよくないことかもしれないし。若干後ろめたさも感じながら、目立たないように不燃ごみに入れているのが私の実情です。こんな微妙な感覚を突いてくる句です。だけど、「ドキドキしながら」「捨てにゆく」、「ゆく」?と大げさななことを真面目に言われると、おかしくもあり、何だか違うことを思い出しそうな不思議な気分にもなります。まさに気分の連鎖っていうのでしょうか。「ドキドキしながら電池を捨てにゆく」ような感じでするようなことって絶対にあったはずなんです。それが具体的に思い出せないのが、ちょっとモヤモヤします。そのモヤモヤ感も含めて、誰でも持っているなんらかの感じをまったく違うモチーフから取り出す、そういう共感性の取り出し方なのではないかと思います。

2014年4月21日 11:30