掃除機を引いて花野に来てしまう   草地豊子

「現代女流川柳鑑賞」から。
あらまあ、とほっこりした笑いがこみあげます。日常をそのまんま引っぱって立っていたのは花野!なんて場違いな。第一コンセントは?電気のつながっていない掃除機なんて、どうにもならない代物です。それに花野に掃除機なんて、うぃんうぃんやったら、かわいい花たちはどうなるんでしょう?とんでもない話です。どうしようもない「立ちつくす」感がなんとも言えません。でもやっぱり、掃除機を引っぱったまんま花野に来てしまったことはまぎれもない事実で、この妙なリアリティーに共感を覚えます。ほんのりとさびしく、ほんのりとあたたかく、あきらめのような、あっけらかんとした強さのような。お会いしたこともない草地さんという作家のやさしいけれどもしっかりとした声が聞こえてきそうです。

2007年5月 4日 22:03